どうして家の中のシロアリ兆候に早く気づくことが大事なのか
「家の中のシロアリ兆候」は、一見すると小さな変化に見えることが多いです。しかし、その小さなサインの裏側では、柱や土台など家を支える大切な部分が少しずつ食べられているかもしれません。シロアリの被害は気づきにくく、発見が遅れるほど修繕費も大きくなりがちです。床が沈む、扉が閉まりにくいなど、生活に支障が出る前に異変をキャッチできるよう、日頃から意識しておくことが大切です。
家の中のシロアリ兆候の基本的なサイン
まずは、どのご家庭でもチェックしやすい「基本のサイン」からご紹介します。特別な道具は必要なく、少し家の中を意識して見て回るだけで確認できますので、週末の掃除のついでなどに気軽に行ってみてください。
床がフカフカする・沈む感覚がある
歩いたときに一部だけ床がフカフカしたり、沈み込むような感覚がある場合は、床下の木材がシロアリに食べられてスカスカになっている可能性があります。特に、洗面所・トイレ・キッチンなど水回りの床は、湿気がこもりやすくシロアリが好む環境になりやすいため要注意です。床の感触に違和感を覚えたら、その場所を中心に他のサインもないか確認してみましょう。
柱や敷居を指で押すと柔らかい
本来、柱や敷居は手で押してもびくともしないほど硬いものです。ところが、内部をシロアリに食べられていると、表面だけが薄く残り、中が空洞に近い状態になってしまいます。軽く指やドライバーの柄で押しただけでへこむ、表面がパリッと割れてしまうようであれば、シロアリ被害の疑いが強いサインです。無理に強く押し込まず、早めに専門家に相談することをおすすめします。
家のあちこちで木くずや黒い粒が落ちている
シロアリが木材を食べると、細かい木くずやフンが発生します。掃除をしても同じ場所に黒っぽい粒や粉のようなものがたまる場合は、家の中のシロアリ兆候として注意しておきたいポイントです。特に、柱の根元や巾木、押し入れの隅など、人の目が届きにくい場所に落ちていることが多いため、懐中電灯を照らしながら確認してみるとよいでしょう。
見落とされがちな家の中のシロアリ兆候
次に、日常生活ではあまり気にされないものの、実はシロアリ被害の初期症状として現れやすいサインをご紹介します。「そういえば最近少し気になっていた」というレベルの違和感として現れることが多いので、思い当たる点がないか振り返りながらチェックしてみてください。
ドアや引き戸の開け閉めが急に重くなった
ドアや引き戸が引っかかる、枠にこすれるようになった場合、枠や床がわずかにゆがんでいる可能性があります。地震や経年劣化でゆがむこともありますが、シロアリによって土台や柱が弱くなり、建物全体のバランスが崩れているケースも少なくありません。特に、雨が続いたわけでもないのに動きが悪くなったと感じるときは、家の中のシロアリ兆候として疑ってみる価値があります。
壁紙の浮き・波打ち・シミが増えている
壁紙が部分的にふくらんで見えたり、波打っているような箇所がある場合は、その裏側で木材が傷んでいるか、湿気がこもっている可能性があります。シロアリは湿った場所を好むため、壁の内部で配管の結露や雨漏りが起きていると、そこから被害が広がることもあります。また、見覚えのない薄いシミがじわっと広がっている場合も危険信号です。
巾木や窓枠に細かいヒビや穴がある
床と壁の境目にある巾木や、窓枠などの細い木部は、シロアリが侵入しやすい場所のひとつです。よく見ると細かいヒビが入っていたり、針で突いたような小さな穴が開いていることがあります。そこから粉のような木くずが出ている場合は、内部にシロアリがいるサインかもしれません。普段はあまり意識しない部分ですが、掃除のときに目を向けてみると異変に早く気づけます。
シロアリの活動サインをチェックするポイント
ここまでご紹介した家の中のシロアリ兆候は、いずれも木材が食べられた結果として現れる症状でした。次は、シロアリそのものの活動によって現れるサインについてお伝えします。これらを知っておくことで、被害が広がる前にシロアリの存在をつかめる可能性が高まります。
羽アリが室内や窓際に大量発生する
暖かくなってくる春から初夏にかけて、突然室内やベランダ付近で羽アリを見かけることがあります。特に、同じ種類の羽アリが短時間に何匹も現れる場合は、近くにシロアリの巣があるサインです。シロアリの羽アリは、羽がもろくすぐに取れてしまうのが特徴で、床に羽だけが大量に落ちていることもあります。
基礎や壁に土のトンネルのようなものがある
シロアリは乾燥や光を嫌うため、土や糞を使って蟻道と呼ばれるトンネル状の通り道を作りながら移動します。床下の基礎部分や、屋外の基礎の立ち上がり、玄関の土間近くなどに、細い土の筋がはい上がっているように見えたら要注意です。蟻道は、シロアリが今まさに出入りしている証拠でもあるため、見つけた場合は壊さずに写真を撮り、そのままの状態で調査を依頼するのが望ましい対応です。
叩くと軽い音がする場所が増えている
家の中のシロアリ兆候として意外と見逃せないのが「音の違い」です。柱や敷居、床板などを軽く叩いたときに、詰まったような重い音ではなく、ポコポコと軽い音がする場合は、中が空洞になっている可能性があります。専門家の調査でも、こうした打診音のチェックは基本的な確認項目のひとつですので、ご自宅でも気になる部分があればそっと叩いてみてください。
家の中のシロアリ兆候に気づいたときの対処法
最後に、家の中のシロアリ兆候に気づいたとき、慌てずにどのようなステップで行動すればよいかを整理しておきましょう。自己判断で放置したり、ホームセンターの薬剤だけで何とかしようとすると、かえって被害が広がってしまうこともあります。
まずは疑いのある場所をメモと写真で記録
床の沈みや柱のへこみ、羽アリの発生場所など「少しでもおかしい」と感じた箇所は、スマートフォンで写真を撮り、日時や状況を簡単にメモしておきましょう。後から専門業者に相談するとき、こうした記録があると被害状況を正確に伝えやすく、調査もスムーズに進みます。
シロアリ駆除の専門業者に早めに相談する
シロアリ対策は、見た目だけで被害範囲を判断するのが非常に難しい分野です。家の中のシロアリ兆候に気づいたら、できるだけ早く専門業者に現地調査を依頼することをおすすめします。多くの業者は無料点検を行っており、床下や天井裏など普段見られない場所まで確認してくれます。
定期的な点検と予防処置で安心を保つ
一度シロアリ駆除を行ったとしても、周辺環境や建物の状態によっては、数年後に再びシロアリが侵入する可能性があります。そのため、5年ごとを目安に専門業者の点検を受ける、床下の換気を良くする、水漏れを放置しないなど、日常的な予防も大切です。家の中のシロアリ兆候を早めにキャッチしつつ、定期的なチェックと予防を組み合わせることで、大切な住まいを長く安心して守ることができます。