
家の中で静かに進むシロアリ被害は、気づいたときには修繕が必要になることもあります。この記事では、一般の方向けに、見分け方から駆除の考え方、業者に頼む判断基準までを順番にまとめます。自宅の状況に合わせて活用してください。
まずはシロアリ被害のサインを知ろう
シロアリ駆除は「見つけてから」より「気づくのが早いほど」費用も被害も小さくできます。代表的なサインは、床がふわっと沈む、柱を叩くと空洞っぽい音がする、畳やフローリングが波打つ、羽アリが室内に出る、木部に細い土の筋のようなものが付く、などです。雨漏りや結露で湿気が多い場所、浴室やキッチン周り、押入れの奥は特に要注意です。見つけたら掃除機で吸ったり潰したりせず、発生場所と量をメモして写真も撮っておくと、その後の判断がスムーズです。
シロアリの種類と侵入経路を押さえる
日本の住宅で多いのは地下から上がるタイプで、地面の中に巣を作り、木材まで土のトンネルを伸ばして侵入します。もう一つ、乾いた木にも入りやすい種類がいて、被害の進み方や対策が少し変わります。とはいえ一般の方は「どこから入るか」を意識するだけで十分です。基礎の隙間、配管が通る穴、玄関ポーチや勝手口の段差、土台に触れた植木や木材の放置など、家と土がつながる場所が入口になりやすいです。まずは家の外周を一周して、土と木が接している箇所を減らすことが第一歩です。
侵入しやすい環境チェック
次の項目に当てはまるほど、シロアリが好む環境になりがちです。できるものから改善すると予防につながります。
・床下の換気が弱く、湿気がこもる
・庭に廃材や切り株、段ボールが置きっぱなし
・基礎の周りに土が盛られている、植栽が密集している
・水回りの漏水や結露がある
・築年数が進み、防蟻処理の更新が不明
羽アリを見たときの初動
羽アリが出たら「窓を開けて追い出す」より、まずは室内への拡散を抑えるのが大切です。明るい光に集まるので、部屋の照明を落として発生源を確認し、テープで捕まえるか、袋でそっと回収します。殺虫スプレーを大量に使うと一時的に静まっても巣が残りやすく、場所を移されて追跡が難しくなることがあります。発生場所、時間帯、数を記録し、できれば翌日以降も同じ場所で出るかを見て、専門家に状況を共有できる形にしておきましょう。
自分でできる応急処置と注意点
シロアリは建物の内部で進行するため、一般の方が完全駆除まで行うのは難しいケースが多いです。ただし、被害を広げないための応急処置や、点検前にやっておくと良い整備はあります。たとえば床下点検口の周りを片付ける、収納物をどかして水回りの配管を見えるようにする、屋外の木材や段ボールを撤去する、雨どいの詰まりを解消するなどです。市販薬剤を使う場合は、見える場所だけに散布して満足しないこと、子どもやペットの動線を考えること、換気と保護具を徹底することが重要です。薬剤の種類によっては相性や使用範囲があり、自己判断で床下全体に使うと逆効果になることもあります。
代表的な駆除方法の違いを理解する
シロアリ駆除は大きく分けて「薬剤を使う方法」と「巣に効かせる方法」があります。床下に薬剤を散布したり、木部に注入して侵入を止めるのが前者です。後者は、シロアリが持ち帰る餌に薬剤を仕込み、巣全体に効かせて数を減らすイメージです。被害の場所、家の構造、過去の処理歴によって向き不向きがあるので、見積もり時に「どの方法で、どこに、どれくらい施工するか」を言葉で説明してもらうと安心です。再発を防ぐには、駆除だけでなく湿気対策や侵入口の改善をセットで考えるのがポイントです。
薬剤散布・注入の特徴
床下の土壌や木部に薬剤でバリアを作る方法は、施工後すぐに効果が分かりやすいのがメリットです。被害箇所の木に穴を開けて注入する場合は、内部に効かせられます。一方で、施工範囲が狭いと抜け道が残ることがあり、定期的な再処理が前提になります。施工後は床下の状態が改善されているか、換気口の塞がりがないかなども合わせて確認してもらうと効果が長持ちします。
ベイト工法の特徴
ベイトは家の周りに設置して、シロアリの活動を見ながら巣に効かせていく方法です。薬剤を大量に散布しない点を安心材料にする人もいます。反面、効き方は段階的で、定期点検と交換が重要になります。設置場所の判断が要で、活動がない場所に置いても効果が出にくいので、調査の丁寧さが結果を左右します。駆除後も監視を続けたい方には向きやすい選択肢です。
失敗しない業者選びと見積もりの見方
シロアリ駆除は「安いから即決」が危険になりやすい分野です。見積もりでは、調査内容、施工範囲、薬剤名や工法、保証内容、再点検の有無までセットで確認しましょう。特に重要なのは、被害の根拠を写真や図で示してくれるか、質問に対して曖昧にしないか、工事後の報告書が出るかです。相見積もりを取るなら、同じ条件(床下面積、工法、保証年数)で比較すると判断しやすくなります。最後に、再発リスクを減らすために、日常でできる予防も続けましょう。
・床下の湿気を減らす(換気、漏水修理、結露対策)
・家の周りに木材や段ボールを置かない
・基礎周りの土の盛り上がりや植栽の密集を避ける
・水回りの小さな異変を放置しない
・定期点検の時期を決めて記録する
費用の目安と施工後に確認したいこと
費用は家の広さや被害の程度、工法によって変わりますが、見積もりを見るときは金額だけでなく「何が含まれているか」を読み解くことが大切です。たとえば調査費、床下への出入り口の養生、木部の注入や穿孔の本数、土壌処理の範囲、薬剤の種類、報告書作成、保証と定期点検が含まれるかで総額の意味が変わります。施工後は、作業写真や施工図で処理した場所が分かるか、薬剤の安全説明があったか、保証書の条件(免責、再施工の範囲、点検の間隔)が明確かを確認しましょう。さらに、床下の湿気が強い家は駆除後も環境が変わらないと再発しやすいので、換気や漏水の改善計画まで一緒に提案してくれる業者だと安心です。