シロアリと床が軋む原因の関係とは
歩くたびにギシギシと床が軋むと、「家が古くなってきたのかな」と思いがちですが、実はシロアリが関わっている場合があります。シロアリ 床が軋む原因は一つではなく、経年劣化や施工の問題と重なって起こることもあるため、一般のご家庭でも注意しておきたいサインのひとつです。まずは床が軋む仕組みを知り、どんなときにシロアリを疑うべきか整理していきましょう。
床が軋む主な原因とは
床のきしみは、必ずしもシロアリだけが原因ではありません。人が長く暮らしていれば、家は少しずつ動き、材料も変化していきます。その中で、どのような要因がきしみを生むのかを知っておくことで、「これは経年変化」「これはシロアリかも」と見分けやすくなります。
床材や下地の経年劣化によるきしみ
長年の生活で床材や下地の木材は、乾燥と湿気を繰り返しながら少しずつ伸び縮みします。その結果、フローリング同士がこすれたり、下地との間にわずかな隙間ができたりして、歩いたときにギシギシと音が出ることがあります。築年数が経っている家や、日当たりや冷暖房の影響を受けやすい部屋では、このような経年劣化によるきしみがよく起こります。
施工不良や金物の緩みが原因のきしみ
新築やリフォームからあまり時間がたっていないのに床が軋む場合は、施工の精度や使われている金物の状態が影響していることもあります。例えば、フローリングを固定する釘やビスの打ち込み不足、床板と下地の接着が不十分などです。また、荷物の重みや生活の振動で金物が緩み、部材同士がこすれ合って音を出すこともあります。
シロアリが原因の床の軋みの特徴
では、シロアリ 床が軋む原因として考えられる場合には、どのような特徴が現れるのでしょうか。一般的な経年劣化によるきしみと違い、シロアリ被害が関係しているときには、床の状態や音の出方に独特の傾向が見られることがあります。
床下の木材がスカスカになっている
シロアリは床下の土台や大引き、根太といった見えない部分の木材を内側から食べ進めていきます。内部がスカスカになることで、床を支える力が弱まり、少しの荷重でもたわみやすくなります。その結果、歩いた部分だけ沈み込み、軋むような異音が出ることがあります。床下を点検した際に、木材の表面が薄く残っているだけで中が空洞になっている場合は、シロアリ被害の可能性が高い状態です。
特定の場所だけ極端に沈む・音が大きい
経年劣化によるきしみは、床一帯で広く起こりやすいのに対して、シロアリ被害が原因の場合は、被害の大きい箇所だけ沈み込みや音が目立つことが多くなります。例えば、洗面所の入口付近や、キッチンのシンク前、トイレの前など、水回りに近い部分だけ極端にフカフカする、ギシッと重い音がするなどです。このような「ピンポイントできしみが強い場所」があるときは、シロアリによる木材の弱りを疑ってみましょう。
床が軋むときにシロアリを疑うべきサイン
床のきしみだけでシロアリ被害かどうかを断定するのは難しいですが、いくつかのサインが重なっている場合は、シロアリの可能性が高まります。日頃から床の状態と合わせて周辺の様子もチェックしておくと、早期発見につながります。
床付近に木くずや黒い粒が落ちている
床のきしみが気になる場所の周辺に、見覚えのない細かい木くずや黒い粒が落ちている場合は要注意です。シロアリの排泄物や、食べられて崩れた木材の粉である可能性があります。掃除をしても同じ場所に何度もたまるようであれば、床下や壁内でシロアリが活動しているサインかもしれません。
巾木や柱の根元を押すと柔らかい
床と壁の境目にある巾木や、床に接している柱の根元は、シロアリの被害が出やすい場所です。指やドライバーの柄などで軽く押したとき、表面は残っているのに簡単にへこんだり、パリッと割れたりする場合は、内部が食べられて弱っている可能性があります。床が軋む場所の近くに、こうした柔らかい木部がないか確認してみてください。
シロアリ被害かどうかを見分けるセルフチェック
シロアリ 床が軋む原因が気になるときは、いきなり床を剥がしたりするのではなく、まずご自身でできる範囲のセルフチェックから始めるのがおすすめです。いくつかの観点から状態を見ていくことで、専門業者に相談するべきかどうかの判断材料になります。
音の出方とタイミングを確認する
まずは、どの場所で、どのように歩いたときに音が出るのかを意識してみましょう。体重をかけたときだけ大きく軋むのか、軽く乗っただけでも音がするのか、季節や時間帯で変化があるのかなどをチェックします。シロアリによる構造の弱りが原因の場合、荷重がかかった瞬間にガクンと沈むような感覚を伴うこともあります。
周辺の壁や建具にも異変がないか見る
床のきしみに加えて、近くの壁紙に亀裂が入っていたり、ドアの開け閉めが急にしにくくなったりしていないかも確認してみましょう。土台や柱など構造部分の木材がシロアリに食べられていると、家の一部がわずかに傾き、床だけでなく周辺の建具にも影響が出ることがあります。複数の症状が重なっている場合は、シロアリ被害の可能性が高まります。
シロアリが疑われる床の軋みへの対処法
セルフチェックの結果、「ただのきしみではなさそう」「シロアリかもしれない」と感じたら、どのように対処すべきでしょうか。やってはいけないことと、早めに行ったほうがよいことを整理しておくと、いざというときに落ち着いて行動できます。
自己判断で床を剥がさないほうがよい理由
床下の状態を確認したくて、自分でフローリングを剥がそうとする方もいますが、あまりおすすめできません。剥がし方によっては、被害が広がっている木材に負担をかけてしまったり、蟻道を壊してシロアリが別の場所に散ってしまうこともあります。また、元に戻せなくなり、余計な補修費がかかってしまうリスクもあります。
専門業者への相談と調査の流れ
シロアリ被害が心配な場合は、シロアリ駆除の専門業者や、シロアリ対策も扱うリフォーム会社に相談するのが安心です。多くの業者は無料点検や床下調査を行っており、専用のライトや工具で床下の木材の状態、蟻道の有無などをチェックしてくれます。そのうえで、シロアリ駆除や予防処理、傷んだ木部の補修方法など、具体的なプランを提案してもらえます。
まとめ:床の軋みはシロアリ被害のサインかもしれません
床が軋む原因には、経年劣化や施工の問題などさまざまな要素がありますが、シロアリによる木材の弱りが隠れていることも少なくありません。特定の場所だけ極端に沈む、水回りの近くで音が大きい、周辺に木くずが落ちているなどのサインがある場合は、シロアリ 床が軋む原因として強く疑ってみる価値があります。一般のご家庭でもできるセルフチェックを活用しつつ、少しでも不安を感じたら専門業者に早めに相談することで、大切な住まいを長く安全に保つことにつながります。気になるきしみを「そのうち直るだろう」と放置せず、家からの小さなサインとして受け止めてあげてください。